あんどう接骨院にはバスケットボールコーチを行なっている関係により当院には多くの選手が来院されます。中でも膝のけがは比較的多く競技の離脱を余儀なくされる、やっかいな損傷です。膝のけがはバスケットボールの性質上、接触によるものより非接触型の損傷の方が多くなります。
当院は指導者・トレーナーの観点から選手それぞれのフォームの改善、トレーニングの提案を行っています。また治療はもとより予防・再発防止に取り組み、パフォーマンスを低下させることなく競技への早期復帰を目指します。膝のけがでお困りでしたらお気軽に当院にご相談ください。
バスケットボールは、俊敏な動き、急な方向転換、高所からの着地など、膝に大きな負担をかけるスポーツです。そのため、膝のけがはバスケットボール選手にとって切っても切れない課題と言えます。今回は、接骨院の視点から、バスケットボールでよく見られる膝のけがの種類、そのメカニズム、そして予防やケアの方法について詳しく解説していきます。


1. なぜバスケットボールで膝をけがしやすいのか?
バスケットボールの動きは、膝関節に特有のストレスを与えます。主な要因として以下の点が挙げられます。

- 急停止・急発進: オフェンスやディフェンスで相手の動きに対応するため、頻繁に急停止や急発進を行います。この際、太ももの筋肉が急激に収縮・弛緩し、膝関節に強い衝撃が加わります。
- ジャンプ・着地: リバウンドやシュート、ブロックショットなど、ジャンプからの着地は膝への負担が非常に大きいです。正しいフォームで着地しないと、膝関節へのねじれや衝撃が集中し、靭帯や半月板を損傷するリスクが高まります。
- 方向転換(ピボット): 片足を軸にして体を回転させるピボット動作は、膝関節のねじれを伴います。特に、足が床に固定された状態で上体が急激に回転すると、膝の靭帯に過度なストレスがかかります。
これらの動きが繰り返されることで、膝の組織は慢性的な疲労を蓄積し、やがてけがへとつながっていくのです。

2. バスケットボール選手に多い膝のけがの種類
ここでは、特にバスケットボールで頻繁に見られる膝のけがをいくつかご紹介します。
A. 前十字靭帯(ACL)損傷
- 解説: 前十字靭帯は、大腿骨と脛骨をつなぐ重要な靭帯で、膝関節の前後方向の安定性を保つ役割を担っています。バスケットボールでは、ジャンプからの着地時や、方向転換の際に、非接触性(相手との接触がない)で損傷することが多いです。「ブチッ」という断裂音を伴うこともあり、受傷直後から強い痛みと腫れが生じ、膝の不安定感(グラグラする感じ)を覚えます。
- 接骨院での対応: 受傷直後は、RICE(安静、冷却、圧迫、挙上)処置を徹底します。接骨院では、徒手検査で靭帯の損傷の程度を評価し、整形外科医への受診を促します。多くの場合、前十字靭帯の完全断裂は手術が必要となりますが、接骨院では術後のリハビリテーションをサポートします。筋力回復、可動域改善、バランス能力の向上など、専門的なプログラムを通じて、安全に競技復帰できる体づくりを支援します。

B. 膝蓋腱炎(ジャンパーズニー)
- 解説: 膝蓋腱は、太ももの前の筋肉(大腿四頭筋)と脛骨をつなぐ腱で、ジャンプ動作に不可欠な役割を担っています。ジャンパーズニーは、ジャンプや着地を繰り返すことで、この膝蓋腱に炎症が生じるオーバーユース(使いすぎ)による障害です。初期は運動後の軽い痛みですが、進行すると運動中も常に痛みを感じるようになり、ジャンプやダッシュができなくなることもあります。
- 接骨院での対応: まずは安静とアイシングで炎症を抑えます。その後、原因となっている太ももの筋肉の緊張を緩和するためのマッサージやストレッチを行います。また、テーピングやサポーターで膝蓋腱への負担を軽減し、痛みの軽減を図ります。再発を防ぐため、筋肉の柔軟性やジャンプ着地のフォーム改善指導も重要なアプローチです。
C. 内側側副靭帯(MCL)損傷
- 解説: 内側側副靭帯は、膝の内側の安定性を保つ靭帯です。バスケットボールでは、接触プレーや、膝が内側に曲がるような動きで損傷することが多いです。軽度から重度まで損傷の程度は様々で、痛みや腫れ、膝の内側の不安定感などが生じます。
- 接骨院での対応: 前十字靭帯損傷と同様、RICE処置から始めます。軽度から中等度の損傷であれば、手術をせずに保存療法で回復を目指します。接骨院では、サポーターやテーピングで膝関節の安定性を高めつつ、周辺の筋力トレーニングや可動域訓練を指導し、早期の回復をサポートします。

D. 半月板損傷
- 解説: 半月板は、大腿骨と脛骨の間にあるクッションの役割を果たす軟骨です。膝のねじれ動作や、ジャンプからの着地時の強い衝撃によって損傷します。痛みだけでなく、「膝が引っかかる」「膝がガクンと抜ける」といったロッキング現象や、可動域の制限が生じることが特徴です。
- 接骨院での対応: まずは安静とアイシングで炎症を抑えます。ロッキング現象が強い場合は、徒手整復を試みることもありますが、多くは整形外科への受診を勧め、MRIなどの精密検査で損傷の程度を把握します。手術が必要なケースもありますが、保存療法を選択した場合、接骨院では周辺の筋力強化や、膝への負担を減らすための歩行・動作指導を行います。


3. 接骨院の役割:予防とケアの重要性
けがをしてから治療するだけでなく、けがをしないための予防、そして再発を防ぐためのケアこそが、バスケットボール選手にとって非常に重要です。接骨院は、その両面において大きな役割を担います。

A. 予防のための接骨院の活用法
- 定期的な体のメンテナンス: 定期的に接骨院に通うことで、筋肉のハリや関節の歪みをチェックし、コンディションを整えることができます。日々の練習で蓄積される疲労を取り除くことで、けがのリスクを減らします。
- 柔軟性向上: 特に太ももの前(大腿四頭筋)や後ろ(ハムストリングス)、ふくらはぎの筋肉の柔軟性は、膝のけが予防に不可欠です。接骨院では、これらの筋肉に対する専門的なストレッチやマッサージを行い、柔軟性を高めます。
- バランス感覚・体幹の強化: 膝の安定性は、足首や股関節、さらには体幹の安定性にも影響されます。接骨院では、これらの部位の筋力やバランス能力を評価し、適切なトレーニング方法を指導します。
B. ケアのための接骨院の活用法
- 正しいアイシングと安静指導: 練習後や、少しでも違和感を覚えた際に、正しいアイシングの方法や、必要な安静期間についてアドバイスします。
- 早期の評価と処置: けがをした際に、まず接骨院を受診することで、その場で応急処置を受けられ、整形外科への受診が必要かどうかの判断も仰げます。適切な初期対応が、その後の回復に大きく影響します。
- リハビリテーション: 手術の有無にかかわらず、けがからの復帰には専門的なリハビリが不可欠です。接骨院では、個々の選手のけがの状態や復帰目標に合わせて、段階的なリハビリプログラムを作成・指導します。


4. まとめ
バスケットボールにおける膝のけがは、選手生命を左右するほど深刻なものになり得ます。しかし、その多くは予防可能であり、適切な初期対応とリハビリテーションによって、安全な競技復帰を目指すことができます。
接骨院は、単に「痛みを治す場所」ではなく、選手のコンディションを整え、けがを予防し、万が一のけがの際には治療からリハビリまで一貫してサポートする、頼れるパートナーです。日頃から自身の体の声に耳を傾け、少しでも異変を感じたら、専門家である接骨院に相談することで、バスケットボールを長く、楽しく続けることができるでしょう。
気になることがあればいつでも当院にご相談ください。バスケットボール選手を応援しています。


あんどう接骨院
院長 安藤雅紀(あんどう まさのり)
- 愛知県名古屋市出身(S63年4月21日生まれ)
- 米田柔整専門学校卒業
- 天白区の接骨院にて11年間修業
- 名東区のリハビリデイサービスにて2年間機能訓練指導員として従事
現在”愛知県立日進中学校 男子バスケットボール部外部コーチ”を務める
日進市内ミニバスケットボールチームにトレーナー・コーチとして関わる


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