あんどう接骨院には多くの交通事故患者様が来院されます。患者様の多くは「初めて交通事故に遭った」という方がほとんどです。問診を進めていくと「事故直後にパニックになってしまった」「何をすべきかわからなかった」などのお話を伺います。
そこで今回の記事では、突然の交通事故にも慌てず対処するための必要事項を解説していきます。
事故に遭わないことが望ましいですが、予期せず遭遇してしまうこともありますので最後までご覧ください。


万が一交通事故に遭ってしまったら、どうしたらいいのかしら。
毎日、子供の送迎をしているから心配で…



交通事故が自分の身に降りかかったら「頭が真っ白」になってしまいますよね。
この記事を読んで適切な対応を身に付けていただければ幸いです。
分からないことがあれば、「あんどう接骨院」にご相談ください!
【序章】ある日突然、あなたの身に降りかかる「追突事故」


静かに信号待ちをしていたその瞬間、背後から突然の衝撃。「ドンッ」という鈍い音と、体に走る激しい揺れ。それが「追突事故」です。多くの場合、停車中や低速走行中に起こる追突事故は、被害者側に過失がないケースが多く、精神的なショックはもちろん、目に見えない体の不調、いわゆる「むちうち(Whiplash-Associated Disorders: WAD)」をはじめとする怪我を負いやすいのが特徴です。
しかし、事故の瞬間にパニックになり、「どうすればいいのか分からない」と適切な行動を取れず、後になって泣き寝入りするケースも少なくありません。特に、整形外科と並んで治療の選択肢となる「接骨院」の存在を知らず、適切な治療を受ける機会を逃してしまう方もいます。
この記事では、あなたが追突事故の被害者となってしまったとき、事故直後から体のケア、そして接骨院での治療を経て完治を目指すまでの、必要な行動と知識を順序立てて詳しく解説します。大切なのは、冷静な対応と、早期かつ適切な治療の選択です。このロードマップを読み進めることで、予期せぬ事故に遭っても、不安なく治療と手続きを進めることができるでしょう。
【第一章】事故直後の最優先事項:冷静な行動が未来を決める


追突事故が発生した直後、ショックで思考が停止してしまうかもしれません。しかし、ここでの初期対応が、今後の補償や治療の行方を大きく左右します。
1. 負傷者の救護と安全の確保(最優先)
- 負傷者の確認と救護: 自分自身や同乗者、そして相手方の負傷の有無をすぐに確認してください。少しでも怪我の可能性がある場合は、迷わず119番(救急車)を要請します。
- 二次被害の防止: 車両を安全な場所に移動させ、ハザードランプの点灯、発炎筒や三角停止板を設置するなどして、後続車による二次的な事故を防ぎます。
2. 警察への通報(義務であり、必須の手続き)
- 「110番」通報の徹底: どんなに小さな物損事故だと思っても、必ず警察に連絡します。道路交通法上の義務であるだけでなく、警察への届け出がないと、保険金の請求に必要な「交通事故証明書」が発行されません。この証明書がなければ、治療費や休業補償などの請求が非常に難しくなります。
- 人身事故の届け出: 事故直後は痛みがなくても、後で症状が出ることが多々あります。その場で人身事故として届け出るのが最も確実ですが、もし物損事故として処理された場合でも、後日、病院の診断書を警察に提出して「人身事故」に切り替える手続きを必ず行ってください。これが、怪我の治療費や慰謝料を請求するための重要なステップとなります。
3. 相手方(加害者)の情報収集
加害者とは冷静に、事務的なやり取りに徹しましょう。感情的なやり取りは避けるべきです。
- 氏名、住所、連絡先(携帯電話含む)
- 車両ナンバー(車種・色も)
- 加入している自賠責保険・任意保険の「会社名」「連絡先」「証券番号」
- (可能であれば)運転免許証や車検証、保険証券をスマートフォンで撮影しておくと確実です。
4. 現場の記録と証拠保全
- 写真・動画の撮影: 事故直後の車の停止位置、破損状況(ご自身の車と相手の車)、ブレーキ痕、信号や標識、周囲の風景など、多角的に撮影します。交渉時に過失割合などで争いになった際の強力な証拠となります。
- 目撃者の確保: もし目撃者がいれば、氏名と連絡先を聞いておき、証人になってもらえるよう依頼します。



負傷者の救護と安全の確保が最優先です!
次に警察や救急へ連絡。
お互いの連絡先を交換します。
【第二章】「痛くないから大丈夫」は禁物!早期の病院受診の重要性
事故直後は興奮状態にあるため、痛みを感じにくいことがあります。しかし、追突事故で最も多い「むちうち」は、翌日や数日経ってから痛みや吐き気、頭痛、めまいといった症状が出ることが非常に多いのです。


1. 必ず整形外科などの病院を受診する
- 事故から「3日以内」が目安: 事故と怪我の因果関係を証明するため、遅くとも事故から3日以内、できれば当日中に病院(整形外科)を受診してください。受診が遅れると、「事故とは関係のない怪我ではないか」と保険会社から疑われ、治療費の支払いを拒否されるリスクが高まります。
- 精密検査の実施: 病院では、レントゲンやMRIなどの画像検査を受け、骨折や神経損傷などの重篤な怪我がないかを確認してもらいます。これは、後の治療方針決定や、後遺障害の申請時に不可欠な証拠となります。
- 「診断書」の作成依頼: 医師に痛みや違和感のある箇所を全て伝え、診断書を作成してもらいます。この診断書を警察に提出して人身事故への切り替えを行います。
2. 保険会社への連絡
- ご自身の保険会社にも連絡: 被害者であっても、念のためご自身が加入している任意保険会社にも事故の報告をします。示談交渉のアドバイスや、ロードサービスの手配など、サポートを受けられる可能性があります。
- 相手方の保険会社とのやり取り: 相手方の保険会社から連絡が来たら、事故の状況と、受診した病院名、そして今後治療する予定の接骨院の名前を伝えます。通常、相手方の保険会社が病院や接骨院に治療費を直接支払う「任意一括対応」となります。



事故に遭ったら速やかに病院受診をしてください!
医師の診断が遅れると、後々痛みが発生しても「交通事故との因果関係なし」と保険会社に判断されてしまいます。
自身の身体や立場を守るためにも病院受診は早めにしましょう。
【第三章】接骨院を活用するメリットと通院の流れ(医学的知見の裏付け)
病院(整形外科)での検査と診断が済んだ後、リハビリや具体的な痛みのケアを進める段階で、接骨院(柔道整復師)の利用が非常に有効な選択肢となります。
1. なぜ接骨院がむちうち治療に適しているのか
むちうちは、骨そのものの損傷だけでなく、首や背中周りの筋肉や靭帯の損傷、そしてそれらからくる神経症状(しびれ、頭痛)が複合的に絡み合っているケースがほとんどです。接骨院では、国家資格を持つ柔道整復師が、患者様一人ひとりの症状に合わせて手技によるきめ細やかな治療(マニュアルセラピー)を行うため、「湿布や電気治療だけでは改善しない」というむちうちの慢性的な痛みに対して、大きな効果が期待できます。
この手技療法(Manual Therapy)は、むちうち(WAD)やそれに伴う首の痛み(Neck Pain-Associated Disorders: NADs)の治療において、世界的な知見でも有効性が示されています。2016年に発表された臨床診療ガイドラインをまとめたレビュー論文では、マニュアルセラピー、自己管理のアドバイス、運動を含むマルチモーダル(多角的)なアプローチが、急性期から慢性期の首の痛みに対して効果的な治療戦略であると提唱されています[1]。接骨院の施術は、まさにこの「マニュアルセラピー」と「運動指導」を含むマルチモーダルなアプローチを提供できる場であると言えます。


2. 接骨院で治療を開始するまでの流れ(重要ステップ)
自賠責保険(交通事故の保険)を利用して接骨院で治療を受けるには、以下の手順を踏むことが非常に重要です。
| ステップ | 行動内容 | 目的 |
| Step 1 | 整形外科で診断を受ける(必須) | 医師の診断書と、事故との因果関係を明確にするため。 |
| Step 2 | 医師に接骨院通院の「許可」を得る | 医師に「接骨院での施術も併用したい」という意思を伝え、承諾を得ておきましょう。 |
| Step 3 | 保険会社に連絡し「接骨院名」を伝える | 相手方の保険会社に「〇〇接骨院に通院したい」と伝え、治療費の支払いを依頼します。原則として、通院先の決定権は患者様(被害者)にありますが、トラブルを避けるために事前に伝えるのが最善です。 |
| Step 4 | 接骨院で治療開始 | 予約をして来院し、問診票に事故の状況や痛む箇所を詳細に記入し、治療を開始します。 |
| Step 5 | 病院(整形外科)と接骨院の「併用」 | 治療経過を医師に定期的に(最低でも月に1回)確認してもらうため、接骨院での治療と並行して、整形外科にも通院を続けましょう。 |
【注意点】
- 保険会社から「接骨院ではなく病院にしてほしい」と言われるケースもありますが、患者には治療院を選択する権利があります。その場合は、「病院の診療時間では仕事と両立が難しい」「手技による治療を受けたい」など、明確な理由を伝えて交渉しましょう。
- 治療費をスムーズに支払ってもらうためにも、無断で通院を開始せず、必ず保険会社に事前に連絡をしてください。


【第四章】完治までの道のり:治療期間と注意すべきこと
むちうちの治療期間は、症状や重症度によって大きく異なりますが、一般的には3ヶ月〜6ヶ月程度が目安とされます。



保険会社から治療を打ち切られることがあると聞いたことがあるけど、
痛みが続いていたらどうしたらいいの?



安心してください!
医師が症状固定の判断を下すまで保険会社から一方的に治療を打ち切ることはできません。
しっかりと治療に専念することができます!
1. 症状固定と治療費の打ち切り
- 症状固定とは: 治療を続けても、それ以上症状の改善が見込めない状態を「症状固定」と言います。医師がこの判断を下すと、原則として自賠責保険(加害者側の保険)による治療費の支払いは終了となります。
- 保険会社からの「打ち切り」: 治療が長引くと、保険会社から治療費の打ち切りや示談を打診されることがあります。しかし、まだ痛みや症状が残っている場合は、応じる必要はありません。
- 専門家への相談: 治療の継続が必要かどうかは、医師や接骨院の先生と十分に相談して判断すべきです。もし保険会社とのやり取りに不安がある場合は、交通事故専門の弁護士や、交通事故対応に慣れた接骨院に相談することで、適切なアドバイスやサポートを受けることができます。
2. 接骨院での治療と後遺障害
症状固定後も、痛みが完全に治らず残ってしまった場合は、**「後遺障害」**の認定申請を行うことになります。
- 診断書と画像所見: 後遺障害認定では、主に整形外科の医師が作成する診断書と、事故直後からの治療経過、レントゲンやMRIなどの画像所見が審査されます。接骨院での治療が主であっても、定期的な整形外科への通院(医師による診察と記録)を怠らないことが、万が一の後遺障害申請の際に重要となります。
3. 示談交渉
治療が終了するか症状固定となった後、最終的に相手方との間で慰謝料や休業損害などを含む損害賠償金の「示談交渉」が行われます。この際、治療期間や通院回数が慰謝料の算定基準の一つとなるため、痛みが無くなるまでしっかりと通院し、治療を継続することが重要です。
【終章】事故は不幸でも、適切な対応で希望は生まれる
追突事故は、誰の身にも起こりうる予期せぬ出来事です。しかし、その後の対応次第で、あなたの心身の健康と経済的な補償は守られます。
- 事故直後の対応を冷静に行う。
- 痛みの有無に関わらず、すぐに病院を受診する。
- 手技による集中的なケアが必要なら、接骨院の利用を検討する。
- 通院の際は、病院と接骨院を上手に併用し、治療の経過を医師に記録してもらう。
この一連のステップを適切に踏むことで、あなたは追突事故による不利益を最小限に抑え、体も心も、再び健やかな日常へと戻ることができるでしょう。あなたが一日も早く完治し、笑顔を取り戻せるよう、適切な治療の選択と継続を心からお勧めします。



交通事故に遭わないことが最も望ましいですが、いつ自分の身に降りかかるかわかりません。
事前に知識を身に付けることで、万が一の時に慌てることなく対応することができます。
交通事故に関してお困りごとがあれば、お気軽に「あんどう接骨院」にご相談ください!


あんどう接骨院
院長 安藤雅紀(あんどう まさのり)
- 愛知県名古屋市出身(S63年4月21日生まれ)
- 米田柔整専門学校卒業
- 天白区の接骨院にて11年間修業
- 名東区のリハビリデイサービスにて2年間機能訓練指導員として従事
現在”愛知県立日進中学校 男子バスケットボール部外部コーチ”を務める
日進市内ミニバスケットボールチームにトレーナー・コーチとして関わる











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