あんどう接骨院には幼児から社会人まで幅広い年齢の患者様が来院されます。
今回の記事はお子様をお持ちの保護者の方から多く寄せられる疑問を少しでも解決できたらと、作成しました。筋トレブームの中、子供にもトレーニングをさせたいと思われる保護者の方が多いようです。
しかし、「いつから」「どの程度」など取り組方がわからないケースがほとんどのように感じます。大人と違い、発達途中の子供への過度な筋力トレーニングは臆病になります。
本記事が皆様にとって、少しでもお役に立てば幸いです。
1. はじめに:なぜ今、子供の筋力トレーニングが注目されるのか?

現代の子供たちは、ゲームやスマートフォンなどの普及により、かつてと比べて外で思い切り体を動かす機会が減少しています。また、スポーツ庁の調査でも、子供たちの体力・運動能力の低下傾向が指摘されており、この「運動不足」は、単なる体力低下に留まらず、姿勢の悪化や怪我のリスク増大、さらには精神的な健康にも影響を及ぼしかねません。
しかし、一方で「筋力トレーニング」と聞くと、「まだ早いのではないか?」「成長を妨げるのではないか?」といった懸念を持たれる親御さんも少なくありません。確かに、大人のような高負荷のトレーニングは子供の成長期の体には不適切です。
そこで本記事では、接骨院の専門的な視点から、子供の健やかな成長のために必要不可欠な「正しい筋力トレーニング」の重要性、安全な進め方、そして当院がどのようにそのサポートができるのかを、徹底的に解説します。
当院は、骨や関節、筋肉のプロフェッショナルとして、子供たちの体の状態を正しく評価し、その子の成長段階に応じた最適なトレーニング、つまり「体幹の安定」と「正しい体の動かし方」を習得するための運動指導を提案します。

2. 子供の成長期における体の特性と筋力トレーニングの「必要性」

2-1. 成長期の体と骨の仕組み
子供の骨は、大人と異なり、骨の両端にある「骨端線(成長軟骨)」が未だ閉じきっていません。これは骨が縦に伸びるための重要な部分です。過度な負荷や衝撃は、この骨端線にダメージを与え、成長障害を引き起こすリスクがあるため、高重量を用いたトレーニングは厳禁とされています。
しかし、この時期こそ、筋肉、腱、靭帯といった軟部組織が急速に発達するタイミングでもあります。これらの組織を正しく、バランス良く鍛えることは、将来的なスポーツパフォーマンスの向上はもちろん、日常生活における健康的な体の土台を作る上で極めて重要になります。
2-2. 現代の子供たちに不足している能力
現代の子供たちに特に不足していると言われるのが、以下の能力です。
- 体幹の安定性(インナーマッスル):座っている時間が長く、姿勢を維持するための深層筋が弱い。
- 協調性(コーディネーション能力):複数の動作をスムーズに行う能力。運動経験の減少で低下しがち。
- 柔軟性:運動不足や不良姿勢により、関節可動域が狭くなっている。
これらの不足は、ただ単に運動能力が低いというだけでなく、転倒時の怪我のリスクを高めたり、「オスグッド・シュラッター病」や「シーバー病」といった成長期特有のスポーツ障害を引き起こす大きな要因となります。
2-3. 正しい筋力トレーニングがもたらすメリット(医学論文の知見)
適切な方法で行う筋力トレーニングは、子供の体に大きなメリットをもたらします。アメリカ小児科学会(AAP)の専門家によるレビュー論文では、筋力トレーニングは子供や青少年が安全に行えるものであり、その結果として、筋力の向上、スポーツパフォーマンスの改善、怪我の発生率の低下が示されています¹。
この知見の通り、トレーニングは以下のメリットを生み出します。
- 怪我の予防:強い体幹とバランスの取れた筋肉は、スポーツ中の急な方向転換や接触時の衝撃から関節や骨を守ります。
- 姿勢の改善:体幹の筋肉(インナーマッスル)を鍛えることで、猫背や反り腰などの不良姿勢が改善され、集中力の向上にもつながります。
- 運動能力の向上:全身を連動させる能力が向上し、走る・跳ぶ・投げるなどの基本動作のパフォーマンスが向上します。
- 骨密度の増加:適度な運動による骨への刺激は、成長期の骨密度増加を促し、将来の骨折リスクを低減させます。


3. 「成長を妨げない」子供の筋力トレーニングの基本原則
子供のトレーニングは、大人の「筋肉のサイズアップ」を目的とするものではありません。主眼に置くべきは「神経系の発達」と「正しい動作の習得」です。
3-1. 優先すべきトレーニングの種類
① 体幹トレーニング(コア・スタビリティ) 腹筋、背筋、お尻周りのインナーマッスルを強化し、体の「軸」を安定させます。
- 例:プランク、バードドッグ、ドローイン(腹圧の練習)
② 自重トレーニング 自分の体重のみを負荷とするトレーニングで、骨端線への過度な負担を防ぎます。
- 例:スクワット(正しいフォームの習得が最優先)、腕立て伏せ(膝つきでも可)、ランジ
③ 協調性トレーニング(アジリティ) ラダー(はしご状の器具)やミニハードルを使った、素早く複雑な動きの練習です。
- 例:片足立ち、けんけんぱ、股関節を大きく動かす動作
3-2. トレーニングにおける絶対的な注意点
- 高重量の禁止:バーベルやダンベルなど、最大筋力の60%以上の高重量を用いるトレーニングは避けてください。
- 正しいフォームの優先:回数をこなすことよりも、一つ一つの動作を正確に行うことを最優先とします。フォームが崩れたらすぐに休憩するか、負荷を下げます。
- 休息の確保:トレーニングと同じくらい、質の高い睡眠と栄養が成長には不可欠です。毎日行う必要はなく、週に2~3回を目安に、筋肉を休ませる日を設けましょう。
- 楽しさの追求:トレーニングを「楽しい遊び」や「達成感」と結びつけることが継続の鍵です。

4. 接骨院が提供する子供の筋力トレーニングサポート
接骨院は、単に怪我の治療を行う場所ではありません。体の構造と機能に精通した専門家として、子供の体の状態に合わせたオーダーメイドの運動指導を行うことができます。
4-1. 専門家による「体の評価」
当院では、まず子供の体を詳細に評価します。
- 姿勢分析:猫背、側弯傾向、骨盤の歪みなどをチェックし、どの筋肉が弱く、どこが硬くなっているかを特定します。
- 関節可動域チェック:股関節、肩甲骨周りなどの柔軟性を確認し、運動時の可動域制限がないかを見ます。
- 動作分析:スクワットや片足立ちなどの基本動作を観察し、体の使い方の癖や左右差を見つけ出します。
この評価によって、「どこの筋肉を鍛えるべきか」だけでなく、「なぜその動きができないのか(柔軟性の問題か、神経伝達の問題か)」を明確にし、闇雲なトレーニングを防ぎます。
4-2. 障害予防とリハビリテーションの視点
当院は、スポーツ障害の治療とリハビリの経験が豊富です。
- 成長痛の予防:オスグッドやシーバー病は、成長期の骨の伸びに筋肉の柔軟性や強度が追いついていないことが原因で起こることが多いです。接骨院では、過緊張した筋肉の柔軟性改善(ストレッチ指導)と、それを支えるインナーマッスルの強化を並行して行い、痛みの出にくい体を作ります。
- フォーム改善による怪我リスク低減:例えば、野球の投球動作やサッカーのキック動作において、体幹が不安定だと肩や膝に負担が集中します。接骨院では、専門知識に基づき、体幹の使い方から指導することで、根本的なフォームの改善を促し、怪我の再発を防ぎます。
4-3. 保護者への教育と連携
子供のトレーニングは、接骨院に来ている時間だけでなく、自宅や部活動での継続が重要です。接骨院では、保護者に対し、子供の体の状態や自宅でできる簡単なトレーニング方法、ストレッチの重要性などを丁寧に指導し、家庭と連携してサポートを行います。

5. 年齢別・成長段階別トレーニングの具体例(接骨院の推奨)
子供の筋力トレーニングは、発達段階に応じて目的が変わります。
5-1. 幼稚園~小学校低学年(5歳~8歳頃):遊びを通じた神経系の発達
目的:運動の楽しさを知り、体の使い方(神経系の発達、協調性)を習得する。筋力アップは二の次。
- 推奨トレーニング:
- 鬼ごっこ、ボール遊び(投げる、キャッチする)
- けんけんぱ、スキップ、様々な走り方
- 動物の動きの真似(ワニ歩き、クマ歩きなど)
- マット運動(前転、後転)
- 接骨院の役割:正しい姿勢での動き方をチェックし、バランス感覚を養うための片足立ちなどの遊びを取り入れた指導。
5-2. 小学校中学年~高学年(9歳~12歳頃):自重トレーニングの導入
目的:正しいフォームでの基本動作を習得し、体幹を意識して安定させる力を養う。
- 推奨トレーニング:
- 自重スクワット(鏡などでフォーム確認)
- プランク(30秒キープなど、短時間から)
- 腕立て伏せ(膝つきで、正しい姿勢を意識)
- 軽いストレッチと柔軟体操
- 接骨院の役割:スポーツ特有の動作(ジャンプ、着地、方向転換)のフォームチェックと修正。特に股関節周りの可動域改善と安定性の強化。
5-3. 中学生以上(13歳頃~):競技特性に合わせた負荷の調整
目的:競技に特化した筋力トレーニングを導入するが、引き続き正しいフォームと体幹の安定が前提。
- 推奨トレーニング:
- 体幹トレーニングのバリエーションを増やす(動的なプランクなど)
- ゴムバンドやメディシンボールなど、低負荷の抵抗運動を導入。
- 専門的なスポーツの動作に必要な筋肉(例:野球ならローテーターカフ)の強化。
- 接骨院の役割:成長度合い(身長の伸びが落ち着いたか)を見極め、高負荷トレーニングへの移行時期を判断。競技中の疲労部位に対するケアと、オーバーユース(使いすぎ)による障害の予防。
6. まとめ:接骨院と共に築く子供の「未来の体」

子供の筋力トレーニングは、決して「筋肉モリモリ」を目指すものではありません。それは、怪我をしないための「予防接種」であり、スポーツや日常生活を快適に送るための「体の基礎工事」です。
成長期という非常にデリケートな時期だからこそ、自己流ではなく、体の構造を熟知した専門家のサポートが不可欠です。接骨院は、治療だけでなく、子供一人ひとりの成長速度、運動能力、そして抱えている体の癖や歪みを正確に把握し、最も安全で効果的なトレーニングプランを提供します。
お子様の健やかな成長、そしてスポーツでの活躍を心から願う親御さんは、一度、当院で、お子様の「体の現在地」をチェックしてみてはいかがでしょうか。正しいアプローチで、お子様の「未来の体」を一緒に築いていきましょう。

あんどう接骨院
院長 安藤雅紀(あんどう まさのり)
- 愛知県名古屋市出身(S63年4月21日生まれ)
- 米田柔整専門学校卒業
- 天白区の接骨院にて11年間修業
- 名東区のリハビリデイサービスにて2年間機能訓練指導員として従事
現在”愛知県立日進中学校 男子バスケットボール部外部コーチ”を務める
日進市内ミニバスケットボールチームにトレーナー・コーチとして関わる


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