【日進 接骨院】エナジードリンクが子どもに与える影響:危険性と依存性を解説

今回の記事は一人の保護者の方からのご相談を受けて作成することにしました。
「子供がエナジードリンクを飲んで夜中まで起きている。」子供の成長を心配する親御さんですが、うまく説明できずに困っていました。そんな親御さんの力になれればと思っております。同じようなお悩みをお持ちの方はぜひ最後までご覧ください。

目次

はじめに

近年、コンビニやスーパーの棚で、カラフルで目を引くエナジードリンクが、子どもたちの間でも身近な存在になりつつあります。「集中力を高める」「疲れが取れる」「元気が湧く」といったイメージが先行し、テスト勉強や部活動、ゲームなど、あらゆる場面での「頼れる相棒」として手を伸ばす若者が増加しています。

しかし、その鮮やかなパッケージの裏側には、子どもの未発達な心身に大きな負担をかけかねない、重要なリスクが潜んでいることを、私たちは見過ごしてはいけません。本記事では、エナジードリンクの主要成分が子どもに及ぼす影響を科学的知見に基づいて深く掘り下げ、保護者や教育関係者が知っておくべき危険性と、賢明な付き合い方について詳しく解説します。


1. エナジードリンクの主要成分と子どもの体格

エナジードリンクの多くは、その名の通り「エネルギー」をチャージするために、特定の成分を高濃度で含んでいます。その中でも、子どもへの影響という観点から特に注意が必要なのが、カフェイン糖類です。

(1)カフェイン:小さな体には刺激が強すぎる

エナジードリンクの核となる成分の一つがカフェインです。カフェインは中枢神経を刺激し、一時的に眠気を抑え、集中力を高める効果が期待されますが、子どもの体には大人が想像する以上に大きな影響を与えます。

1-1. カフェイン中毒リスクの高さ

子どもは大人に比べて体格が小さく、体重あたりのカフェイン許容量が極めて少ないのが特徴です。例えば、カナダ保健省は、10~12歳の子どもが一日に摂取しても安全とされるカフェイン量を85mgまでとしています。これは、一般的なエナジードリンク(250ml缶)1本に含まれるカフェイン量(製品によりますが、およそ80mg〜160mg程度)で、軽く上限を超えてしまう水準です。

摂取量が許容量を超えると、カフェインはすぐに急性中毒のリスクを高めます。重症の場合には、低血圧、けいれん、頻呼吸、不整脈などが出現し、救急搬送される事例も報告されています。

1-2. 発達への二次的な悪影響

短期的リスクだけでなく、カフェインの過剰摂取は、子どもの健全な成長を妨げる二次的な悪影響も引き起こします。

  • 睡眠障害と成長ホルモン: カフェインの覚醒作用により夜間に不眠が続くと、成長期に重要な成長ホルモンの分泌が妨げられる可能性があります。
  • 集中力と情緒: 一時的な興奮作用が切れた後には、集中力の低下情緒不安定イライラといった症状が現れやすく、学業や日常生活に悪影響を及ぼします。
  • 骨の成長: カフェインにはカルシウムの吸収を妨げ、体外への排出を促す作用があるため、骨の成長が著しい成長期の子どもにとって骨の発達に悪影響が出る懸念があります。

(2)糖類:成長を妨げる「空のカロリー」

エナジードリンクの多くは、カフェインの苦味を打ち消し、飲みやすい「おいしい」ジュースの味にするために、大量の砂糖や人工甘味料を含んでいます。

2-1. 肥満・虫歯・糖尿病リスクの増加

米国の小児科学会は、子どもや青少年の砂糖摂取量を1日あたり25グラム(小さじ6杯分)以下に抑えるよう推奨しています。しかし、一般的なエナジードリンクの多くは、1本でこの上限を大きく超える大量の砂糖を含んでいます。

この過剰な糖分摂取は、肥満や将来的な2型糖尿病心血管疾患のリスクを増大させるほか、虫歯の原因にもなります。また、糖分由来の「空のカロリー」はすぐに満腹感を与えるため、成長と発達に必要な他の栄養価の高い食品を避けてしまうリスクもあります。

2-2. 血糖値の急激な変動と精神面への影響

糖分の大量摂取は、血糖値の急激な上昇とその後の急降下を引き起こします。この血糖値の変動は集中力を著しく乱し、イライラ不安気分の落ち込みといった精神的な不安定さを招きやすいことが指摘されています。


3. 医学的知見:心血管系と精神神経系への影響

エナジードリンクの摂取が、子どもの体に及ぼす悪影響については、医学論文を通じた報告が年々増加しています。特に、心血管系精神神経系への影響は、小児科医や公衆衛生の専門家が強く懸念している点です。

(1)心血管系の病態リスク

エナジードリンクに含まれるカフェインやその他の興奮作用を持つ成分は、子どもの心臓に強い負荷をかけます。ある文献レビューでは、エナジードリンクの摂取と関連した未成年者における有害事象(Adverse Health Events: AHEs)の症例報告が集計されました。その結果、報告された有害事象の45%が心血管系に関連しており、不整脈(心拍リズムの異常)や動脈硬化度の上昇などが含まれていました 。(1

このレビューは、エナジードリンクの摂取が未成年者の健康被害と関連している可能性を示唆しており、特に心血管系神経精神医学的システムが影響を受けやすいとしています。基礎疾患を持つ子どもや、他の誘因と組み合わせて摂取した場合に、重篤な心臓発作などの深刻な事態につながる危険性が指摘されています。

(2)精神神経系および依存性への懸念

先の文献レビューによると、有害事象の33%が神経精神医学的システムに関連していました。(1

高濃度のカフェイン摂取は、不安、不眠、落ち着きのなさといったカフェイン中毒の症状を引き起こすだけでなく、子どもの脳が未発達であることから、その影響はより深刻になる可能性があります。

また、薬物依存の専門家は、「気分を変える」目的でカフェインのような物質を子どもの頃から常用する習慣が、将来的なアルコールや薬物乱用行動への入り口になる可能性を指摘し、警鐘を鳴らしています。エナジードリンクの消費と、感覚探索行動(Sensation-seeking)や暴力的行動薬物乱用といった危険な行動パターンとの間に強い関連があることを示した研究結果も存在し、公衆衛生上の大きな懸念となっています。


4. 国際的な規制と日本の現状

エナジードリンクが子どもに与える健康被害の報告が増えるにつれて、世界各国では規制の動きが加速しています。

  • 欧米の規制強化: ポーランドリトアニアなど一部の欧州国では、18歳未満へのエナジードリンクの販売を法律で禁止しています。また、米国では、スポーツ医学会が公式声明として「エナジードリンクは子どもや思春期の青年には不要で有害であり、摂取すべきではない」と明言しています。
  • 日本の状況: 日本では、エナジードリンクの販売に関する法的な年齢制限は設けられていませんが、消費者庁や農林水産省は、子ども、妊婦、カフェインに敏感な人への過剰摂取に対する注意喚起を積極的に行っています。

国際的な流れを見ても、エナジードリンクが「大人の飲み物」として認識され、子どもへの摂取は厳しく制限される方向にあることは明らかです。


5. 保護者と教育関係者が取るべき行動

子どもの健康を守るためには、周囲の大人たちの理解と行動が不可欠です。

(1)家庭内でのルール作りとコミュニケーション

子どもに「ダメ」と頭ごなしに禁止するだけでは、かえって隠れて飲む原因になりかねません。重要なのは、なぜエナジードリンクが子どもに適さないのかを、子どもの目線に立って具体的に説明することです。

  • 具体的な理由を伝える: 「これを飲むとドキドキして心臓に負担がかかるという報告があるんだ」「夜眠れなくなって、成長を邪魔しちゃうかもしれないんだよ」など、医学的な知見や具体的な影響をわかりやすく伝えましょう。
  • 代替案の提示: 「疲れたり、眠くなったりしたら、まずはしっかり食事をとって寝ることが一番の特効薬だよ」と、根本的な生活習慣の見直しを促し、水やお茶など健康的な代替飲料を勧めましょう。
  • 買い置きをしない: 家庭内にエナジードリンクを常備しないことも、子どもの摂取機会を減らすために有効です。

(2)周囲の大人たちの意識改革

部活のコーチや塾の講師、親戚など、子どもの周囲にいる大人たちも、エナジードリンクを「頑張っている子への差し入れ」として安易に与える行為を慎むべきです。エナジードリンクは、一時的な覚醒作用を持つ強い刺激物であり、子どもの飲料としては不適切であるという認識を社会全体で共有することが求められます。

(3)「頑張り」への健全なサポート

子どもがエナジードリンクに手を出す背景には、「もっと頑張りたい」「疲れているから助けが欲しい」という切実な思いがあることがほとんどです。大人たちは、エナジードリンクに頼らせるのではなく、十分な睡眠時間や栄養バランスの取れた食事の提供、プレッシャーを和らげる声かけといった、根本的で健全なサポートを提供することに注力すべきです。


まとめ:成長期の子どもに「翼」は必要ない

エナジードリンクは、そのマーケティング戦略により、「活力を与える」「限界を超える」といったイメージを消費者に植え付けてきました。しかし、成長途上にある子どもたちにとって、その成分がもたらすのは、一時的な興奮と引き換えの健康リスク依存の危険性です。

子どもたちは、自らの力で健康的に成長し、活力を生み出すようにできています。人工的な刺激に頼る必要は全くありません。私たちは、子どもたちが自らの力で健康的に成長できるよう、エナジードリンクという「大人向け」の強い刺激物から、彼らを守る責任があります。

「翼を授ける」というキャッチフレーズは魅力的かもしれませんが、子どもたちが本当に必要としているのは、質の高い睡眠、バランスの取れた食事、そして安心できる環境という、揺るぎない土台なのです。社会全体でこの認識を共有し、次世代の健康を守るための賢明な選択をしていきましょう。


引用文献
Apelt L, Kanz L, Kahl KG. Energy Drinks and Adverse Health Events in Children and Adolescents: A Literature Review. Nutrients. 2023 May 29;15(11):2537.

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あんどう接骨院
院長 安藤雅紀(あんどう まさのり)

  • 愛知県名古屋市出身(S63年4月21日生まれ)
  • 米田柔整専門学校卒業
  • 天白区の接骨院にて11年間修業
  • 名東区のリハビリデイサービスにて2年間機能訓練指導員として従事

現在”愛知県立日進中学校 男子バスケットボール部外部コーチ”を務める
日進市内ミニバスケットボールチームにトレーナー・コーチとして関わる

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プロフィール

はじめまして。あんどう接骨院 院長の安藤雅紀です。

今でこそ地域の皆様の健康をサポートしていますが、かつての私は、どこに行っても治らない痛みに苦しむ一人の学生でした。

私はバスケットボールに情熱を注いでいましたが、学生時代に激しい腰痛を経験しました。どれだけ湿布を貼っても痛みが引かず、最も夢中になりたかった時期に、「思い切りバスケットボールをできない」という、人生で一番大きな挫折を味わいました。

「このまま大好きなバスケを諦めるしかないのか」と、心身ともにどん底に陥りました。

そんな私を救ってくれたのが、当時通っていた接骨院の先生でした。

その先生の的確な治療と温かい励ましのおかげで、私は再びコートに戻り、最後まで競技を継続することができました。この経験が、私の人生を大きく変えたターニングポイントです。

私は、「痛みに苦しむ人を救う仕事」の尊さを知り、先生が持っていた「柔道整復師」という資格に強い憧れを抱きました。私もこの手で人の身体に携わり、諦めかけている人の希望になりたい!この時、プロの治療家として生きることを固く決意しました。

柔道整復師養成校へ入学すると同時に、恩師であるその先生のもとに弟子入りを志願。私はそこで、10年間にわたり技術と知識、そして「人」としての心構えを徹底的に修行しました。

修行時代は、座学だけでは学べない生きた知識と、患者様の痛みに真摯に向き合う姿勢を叩き込まれた、濃密な時間でした。この積み重ねがあったからこそ、今、自信を持って皆様の身体を診ることができます。

そして、2021年。10年間の修行を経て、あんどう接骨院を開業するに至りました。

現在、あんどう接骨院では、かつての私のように「諦めかけている痛み」に真摯に向き合い、根本から改善を目指す施術を提供しています。

また、地域の子どもたちの未来をサポートするため、日進中学校男子バスケットボール部の外部コーチ、そして近隣のミニバスチームのトレーナー兼コーチも務めています。未来あるアスリートを育成することも、私の大きな使命です。

このブログ「お役立ち記事」は、「患者様の疑問や不安を解消したい」という想いから始めました。

私が修行で培った知識と、現場で得た最新の情報を惜しみなく、そして分かりやすくお届けしていきます。

あなたの「なるほど!」という驚きと感動、そして笑顔あふれる健康的な生活を全力でサポートすることをお約束します。

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