16歳 男性 (高校生 陸上部)
〈主訴〉
陸上短距離種目の練習中に負傷。
〈症状〉
右下腿後面(ふくらはぎ)内側に圧痛著明。右足関節背屈時、疼痛出現。歩行時痛あり
〈施術内容〉
手技療法、高電圧治療(ハイボルテージ)、患部にスパイラルテープ及び右下腿後面~足底にかけてキネシオテープを貼付。包帯固定を施し患部の圧迫、下腿三頭筋の伸張を制限した。
〈施術後〉
右足関節の背屈は制限されているため、歩行時の疼痛は軽減。翌日からの練習メニューを上半身の筋力トレーニング中心へ切り替えてもらうことを提案した。
〈経過〉
週に2~3日程、6回施術を行なった。2回目の施術後より疼痛の緩和が著明にみられたため、3回目より包帯固定は行わずテーピングのみとした。5回目の施術後に本人と相談の上、翌日より軽めのランニングを開始することとした。6回目施術時、ランニングにて疼痛や違和感は消失していると本人より確認。テーピングは実施せず、自前のサポーターを装着し翌日より競技に復帰。
〈備考〉
学生競技者にとって負傷により競技を離れることは、パフォーマンスの低下を招くのではないかと不安に駆られることと思います。しかしながら負傷により他部位の強化を図ることで復帰時に大きく成果を伸ばす可能性も考えられます。また今後の練習方法や日頃のケアの必要性を改めて見直すきっかけにも繋がるでしょう。負傷に対し悲観するだけでなく、前向きに捉えることで今後の競技生活に活かすことができるのではないでしょうか。